《序章》
二王子岳の奥深くに異空の部屋へと続く洞窟があった。
そこにはこの世の全てを詰め込んだ『メンデレーエフの棚』という秘宝があると言う。
表に出ない歴史、裏の世界で語り継がれる伝説だ。
百年の時を超え、一人の男がその異空の部屋へたどりつく。
男:「ここが伝説に語り継がれる部屋か…」
男が部屋を見渡すと古びた棚が埃をかぶっている。
棚には自ら光を放つ球体がならべられていた。
各々の球体には元素記号のような文字が浮かんでいる。
男はニヤリと笑みをうかべ、棚に手をのばす。
声1:「ひさしいな、ここへ人間が来るのは。」
低い声が部屋に響く。その声に男は応える。
男:「伝説のとおりだな。契約を求める者か?」
声2:「結ぶな、人間!!」
今度は少し甲高い声。
声2:「契約を結べば、再び世界は…!!」
しかし男は躊躇することなく叫ぶ
男:「結ぼう契約を!!俺に世界の全てを見せてくれ!!」
男が叫ぶと同時に、棚からまばゆい光が飛び出した。
声1:「ふははは!!見せてやろう、人間!真にあるべき世界の姿を!!」
声2:「ばかな事を…。やはり人間は繰り返してしまうのか、滅びの道を。」
棚は空になっていた。球体は全て飛び去っていた。
そして、既に男の姿もなかった。
山から無数の光が飛び出したのを多くの人が目撃したが、原因不明の光として数日で世間の話題から消えた。
ある日、一匹の狼が姿を現す。
狼:「おまえ、俺と契約を結べ。世界を元に戻すために」
人間の言葉を話す狼を前に、怯え以上の冒険へのワクワクを感じた僕は言った。
僕:「結ぶよ、契約。」
運命が走り始める音がした…。